
皮から革へ加工する鞣し(なめし)とは?muonの採用するクロムなめしについて解説
レザーバッグを探していると、よく見かける「クロムなめし」「タンニンなめし」という言葉。
「そもそも“なめし”って何?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、muonが使っているレザーの“基本構造”とも言える「なめし」について、初めての方にもわかりやすく解説します。
鞣し(なめし)とは?
レザーは、もともとは“ただの動物の皮”です。
この皮をバッグや靴、ベルトなどに使える「素材=革」に変えるために行う加工処理を「なめし」と呼びます。
もしなめしをせずに動物の皮を使うと、腐敗したり硬化したりして、日常の製品には到底使えません。
つまり、「なめし」とは皮を革に変える、必要不可欠なプロセスなのです。
なめし方には、大きく分けて2種類あります
なめしの種類 |
特徴 |
タンニンなめし |
自然素材(植物の渋)を使用。経年変化を楽しめるが、水や湿気に弱い |
クロムなめし |
化学薬品(クロム化合物)を使用。軽くて柔らかく、水や熱にも強く、安定性が高い |
muonでは、基本的にクロムなめしのレザーを使用しています。
クロムなめしの5つのメリット
1. レザーが「軽く」なる
クロムなめしによって鞣された革は、繊維がしなやかに仕上がり、同じ厚みでも圧倒的に軽くなります。
これは、クロム化合物が繊維の隙間を効率的に結びつけ、水分の残留を抑えることで実現しています。
muonのTHE Backpackは、これによりレザーバックパックにもかかわらず、900gを実現しています。
2. 柔軟性が高く、扱いやすい
クロムなめしのレザーは、非常に柔らかくしなやかです。
折り曲げたり、圧縮したりしても、シワや型崩れが起きにくいのが特徴。
muonのTHE Backpackではフラットなデザインにこだわっているため、型崩れしづらいクロムなめしを採用しています。
3. 高い耐水性
クロムなめしは、分子レベルで繊維に耐水性を持たせるため、水濡れに非常に強い構造になっています。
具体的なメリット:
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雨の日も気兼ねなく使える
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水を弾くため、シミやカビのリスクが低い
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天候に左右されず、日常的に使いやすい
一般的なタンニンなめしは、水に弱く雨ジミや色落ちが発生しやすいため、「使うシーンを選ばない」という点でクロムなめしは圧倒的に実用的です。
4. 発色が美しく、色ムラが少ない
クロムなめしは、染料や顔料の浸透が安定しており、均一で美しい発色を得られます。
具体的なメリット:
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ブラックなどの濃色でも色ムラが出にくい
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製品全体に統一感が出る
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傷が目立ちにくい仕上がりになる
muonのバッグに使われているレザーも、深く、マットで、均一な色を実現できているのは、クロムなめしの力によるものです。
5. 安定供給と持続可能性
クロムなめしは、比較的短時間かつ安定した品質で仕上がるため、大量生産や品質管理にも適しています。
具体的なメリット:
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品質にばらつきが出にくく、個体差が少ない
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廃棄ロスが減り、無駄のない生産が可能
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工場での管理も効率化し、安定的な価格に寄与
よくある誤解:「クロムなめし=劣化版」ではない
一部では、「タンニンなめし=高級、クロムなめし=安物」という誤解もあります。
たしかに、クロムなめしの方が大量生産に向いているという特性はありますが、muonでは厳選されたレザーと熟練の加工技術によって、クロムなめしでも質の高い革に仕上げています。
muonがクロムなめしを採用する理由は、「軽くて、扱いやすく、現代のライフスタイルに合っている」からです。
レザーを“使う人のためにどう設計するかにこだわって選ばれた技術です。
実用性と上質さを両立したmuonのクロムレザー
毎日使ってもストレスなく、天候やシーンを問わず使える。そんな「日常に寄り添う上質」を実現するために、muonではクロムなめしを選択しています。
メンテナンスの容易さは、日々の使い勝手に直結します。ぜひ、上質なレザーを気軽に楽しんでいただければ幸いです。